ピンクリボンNEWS

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22号 vol.6 no.4

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我々J.POSHが関心を持っていること

我々が関心を持っていること、それは、高校生に対する『乳がん啓発活動』です。
2002年以来、乳がんの知識や検診の重要性の啓発活動のために、ポスターやリーフレットを作成して無料で配布してきました。その中で最近強く感じていますのは、高校生に対する『乳がん啓発活動』です。各地において小学生、中学生に対して啓発活動を行っている方を耳にします。それに比べて、高校生に対しては、少ないように思います。乳がんに対する正確な情報を伝えることは、成長期に当たる小・中学生に比べて高校生にとって、より身近に感じることであると感じます。

我々J.POSHに対して毎年、数校の高校より講演依頼があります。ある高校の女子高生が講演後のアンケートに「今まで乳がんのことは関係ないと思っていました。遠い先のことだと思っていましたが、この講演を聞いて、今からでも考えないといけないのだなと感じました。母も40代で乳がんになる可能性が高いので、帰ったら自己検診のパンフレットを見せようと思います。」このようなことを書いていました。40代後半が乳がん罹患率のピークであることを考えますとまさに、高校生を持つ親がその年代になります。そこで感じるのは、高校生を対象に啓発することによって、親世代にも啓発ができるということです。

国の指針によりますと、40歳以上の方に2年に1度の検診を進めています。しかし、乳がん全体の5~10%が遺伝性乳がんと言われています。この遺伝性乳がんは、多くが40歳までに発症します。また、遺伝性乳がんではありませんが小林麻央さんは、34歳で亡くなりました。乳がん患者の半数以上が自分で乳がんを発見しているという現実からしても自分の体に関心を持つ習慣づけが必要です。このようなことを考えますと、若い時から乳がんに関心を持ち、「自己検診」の重要性を認識することが非常に大切であると思います。

このようなことから、高校生に対する『乳がん啓発活動』が普及することは、大いに効果の上がることです。しかし、我々J.POSHの力だけでは、難しいことです。行政、医療従事者、ピンクリボン団体、患者会、より多くの方々の力の結集によって、高校生に対する『乳がん啓発活動』が広まることを願います。

追伸
我々J.POSHは、最近、子宮頸がんの啓発団体との交流が増えてきています。『子宮頸がん』は、早期に発見すれば、治療しやすいがんですが、乳がんより若くして罹患のピークを迎えます。子宮頸がんの患者は、20代後半から増加し40代以降は概ね横ばいで推移し、若くして子宮を摘出しなければならない状況になったり、死に至る方も年間約3000人を数えています。これらのことから高校生に対して『乳がん啓発活動』と同様に『子宮頸がん啓発活動』により、正確な情報を伝える必要を感じます。

 

認定NPO法人J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)
副理事長 平田 享